ボランティア・市民活動団体の広報にお役立てください。

「ボランティア募集」「寄付や募金の募集」「イベント・研修会の案内」など、ボランティアグループや市民活動団体が、市民に広く呼びかけたい内容がある場合、まず、「何を呼びかけたいのか」を整理することが大切です。そして、チラシなどの印刷・配布などにより、はっきりと、そして簡潔にまとめて伝えることが大切です。
ボランティア・市民活動団体のチラシやパンフレットを見た人から、団体や市民活動センターなどによく寄せられる質問や問い合わせの内容を以下にまとめました。これらの点を参考にしながら、広報の内容を編集する際に役立ててみて下さい。

 

1.伝えたい内容は漏れなく、簡潔に伝えよう

「ボランティア募集」や「スタッフ募集」の場合
  • 誰でも申し込みできるのか?(必要な経験や資格の有無など)
  • 時間や日時が決まっているのか? ある程度ボランティアの希望が反映されるのか?
  • 活動場所はどこなのか?
  • 具体的にどのような活動を行うのか?(例)介助ボランティアの場合→「食事」や「トイレ」など、介助の内容を記す。
  • 交通費など実費負担の有無について。特にスタッフ募集の場合、賃金など待遇について、くわしく記す。
  • 申し込み方法や申し込み締め切り日について(郵送の場合「必着」か?「消印有効」か?)
  • 申し込み後の対応について(申し込み確認の連絡が団体からあるのか、など)
「寄付や募金の募集」の場合
  • 集めた寄付や募金の使われ方は?(何のための、どのような活動に、どのくらい使われるのか?)
  • 目標の金額や数量は?
  • 送付先または送金先は?その際の手数料負担の有無は?
  • 領収書の発行はあるのか?(特に寄付金募集の場合)
「イベント・研修会の案内」の場合
  • 参加対象者の範囲や定員は?誰でも参加できるイベント・研修会なのか?
  • 時間や日時、会場とその地図・最寄駅・交通機関など。また、会場がエレベータやスロープ設置などの車いす対応となっているか、車いす対応トイレの有無なども示すとよい。
  • イベント・研修会のねらいと内容(プログラム)、講師や報告者の紹介
  • 参加費など負担金の有無、およびその内訳
    (※例えば「参加費」か「資料代」など。また、スタディツアーなどの場合、往復交通費・航空運賃、現地での滞在費や食費、海外保険料などが含まれるのか、参加者が別途負担する内容について明示する。)
  • イベント・研修会への参加経験を、ボランティア活動や市民活動として役立てる機会があるか?
    (※例えば、技術や資格が必要とされるボランティアの養成講座など。)
  • 申し込み方法や申し込み締め切り日について
    (郵送の場合「必着」か?「消印有効」か?)
  • 申し込み後の対応について
    (申し込み確認の連絡が団体からあるのか、など)

 

2.団体の自己紹介やプロフィールを記そう

広報・PRを行っているボランティアグループや市民活動団体が、どんな理念や目標に向かって活動しているのかについても、「活動に参加したい」「寄付や募金で協力したい」と考える人々が知りたい点の一つです。

団体設立の目的や理念、これまでの活動実績などを簡潔に記しておくことにより、呼びかけている内容への理解や共感を深めるきっかけにつながるでしょう。

 

3.連絡先を必ず記載しよう

他団体の事務所や個人宅を間借りして住所としている場合

送付先のあて名は正確に記載します。たとえば、グループ・団体の郵便物の受取先を個人宅や別の事業所にしている場合、グループ・団体名だけでは届かない場合があります。このため、あて先が個人宅もしくは事業所あて先(○○気付など)であることを記載しましょう。

電話番号を共有している場合

個人宅を団体の電話連絡先としている場合や、他団体と電話を共用している場合、呼び出しであることを記載しましょう。

電話やファックスでの連絡時間が限られている場合

電話やファックスでの連絡時間が限られている場合、受付の開始および終了時間を必ず記載するようにして下さい。また、時間外の連絡方法(留守番電話の有無など)もあわせて記載しましょう。

 

4.表題やキャッチコピーをつける工夫をしよう

特にチラシやパンフレットを作成する場合、内容を簡潔に示した表題やキャッチコピーをつけて、紙面中の他の文字より大きく印字すると、見る人の目がとまりやすくなります。また、それらを掲示したり、各種広報誌に掲載依頼をする場合にも役立ちます。

 

5.広報の依頼を積極的に行おう

広く呼びかけるためには、ボランティア・市民活動推進団体の広報誌やホームページ、また、新聞への掲載依頼や、ボランティア・市民活動センターでのチラシやパンフレットの配架依頼などを積極的に行いましょう。

掲載の依頼を行う場合

ボランティア・市民活動団体やボランティア・市民活動センターでは、多くの場合、広報誌を発行しており、ほとんどの紙面には、ボランティア・市民活動団体の情報掲載コーナーがあります。また、最近ではホームページやメールマガジンとして、情報を提供している場合もあります。

これらに掲載を希望する場合、チラシやパンフレットに加えて、団体の活動紹介や、企画の趣旨・ねらいなどをまとめた文書などを添えるようにしましょう。このことにより、掲載する側に熱心さが伝わり、また、紹介の方法や紹介文が考えやすくなるために効果的です。

また、直接情報を相手に持ち込むことも、今後の広報ルートを築く上で重要です。事前に担当者とアポイントメントをとり、簡潔に説明ができる準備をしておきましょう。

新聞やマスコミに依頼する場合

新聞やマスコミに広報の依頼を行う場合、内容に応じた担当部署につなげられるか、という点が大切です。

たとえば新聞(一般紙)の場合、社会面、生活面、経済面、地方版など紙面によって担当が異なります。

このため、掲載依頼をする情報の内容を踏まえ、その内容がもっとも関連すると思われる部署を調べ、直接送ることが大切です。最近では、ボランティアやNPOのイベントを紹介する欄を設けている新聞紙もあり、その担当先を問い合わせるなどしてチェックしておきましょう。

また、掲載後は礼状を送るようにしましょう。特に掲載された内容の事後報告(例えばイベントの場合、当日の報告など)をあわせて伝えると、今後、団体の活動が注目されたり、また、取材を受ける可能性にもつながります。

 

出展元:東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)